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1950年代、新制東大教養学部の学生を中心に刊行された詩誌。創刊マニフェストにおいて「人間を守る」ことを掲げた本誌は、50年代の激変する社会を題材にした作品や、海外詩人の作品翻訳を通して、戦後に生きることの意義や価値を模索した。『ぼくたちの未来のために』というタイトルは、英国戦没学徒による詩集『For your tomorrow』への応答とされる。
占領解除間もないころ、新時代の学生たちの志と思いをもって創刊された本誌は、悲惨な経験が忘れられた現代にこそ、多くのことを問いかける。
<主要執筆者>
池田守/石川巌/入沢康夫/岩成達也/宇佐美誠一/小田島雄志/金子嗣郎/亀井俊介/川口澄子/木原孝一/粂川光樹/小海永二/斎藤忠利/嵯峨信之/島良夫/西川正雄/花崎皋平/松川八洲雄/村上義人/山本恒/吉川常子
推薦文より
のちにシェイクスピアを全訳する小田島雄志、ミショーの訳業で名高い小海永二などを輩出したこの誌はまた、同時代外国詩人の作品を幅広く翻訳紹介した点でも注目に値しよう。その訳業の特質としては、小海訳ロルカなど、英米仏の既成の枠を超えてその射程が国際的に開かれていたこと、斎藤忠利訳ラングストン・ヒューズや小海訳のフランス黒人の詩のように、マイノリティの文学がしかとその視野に収められていたこと、などがあげられる。花崎皋平、山本恒そして小海、小田島など、同人たちの「その後」の活動と達成への予感も含めて、『ぼくたちの未来のために』はまさに、一九六〇年代の文学を様々に先取りした同人誌であった。戦後詩研究、比較文学研究、翻訳研究のための、まぎれもない第一級の資料である。
― 井上健(東京大学名誉教授)
委曲を尽くした解説を付す今回の復刻版が、戦後詩や戦後サークル運動史の研究に多大な貢献をなすのは間違いあるまい。さらにこの労作が―専門家相手の史料提供にとどまることなく―一九五〇年代の若きポエットたちの初々しい《表現=肉声》の「磁場」に触れた一般読者を鼓舞して、自分たちなりの詩作・思索を促していくことを望んでやまない。
― 川本隆史(東京大学名誉教授)
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