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動かぬ巨竜グリオール。テオシンテ市に横たわる彼の体には、川が流れ村があり、体内では四季が巡る。死せず体は動かずともその巨体には、いまだ謎が多い。グリオールの血液を研究していたロザッハーは、黄金色にきらめく美しき血に混沌とした多彩な快感を与える効用があることを発見する。四年後、ロザッハーは“マブ”と名付けた竜の血から精製した麻薬により巨大な財を成す。しかし彼はその代償として、テオシンテに渦巻く権力と暴力、そして決して逃れられぬ巨竜の思念に翻弄されていく――。
〈竜のグリオール〉シリーズ、唯一の長篇にして最終作。
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