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北海道の空知総合病院の研修医たちは2年間の研修医生活も終盤を迎え、進路を決めるべき時が迫っていた。沢井詩織は自分がやりたいことが見つからずにいた。自分の医学に対する自分の熱意が目指す場所を求める感情と、穏やかな私生活を続けたい気持ちの狭間で揺れ動く。朝倉雄介もまた、沢井との生活を続けるための将来を考えていた。風見司は仕事にも慣れ、充実した多忙な毎日を送っていた。だが、ある日、担当患者から「どうせ、先生もすぐいなくなるんだろ?」と言われてしまう。清水涼子は高度な医療を行う大学病院と、大学とは対照的に終の棲家となる穏やかな療養型病院を巡っていた。いずれも必要な仕事だと理解しつつも、その中で自分の医学に対する興味がどこにあるのか、考え直していた。四人はそれぞれの思いを胸に、医師として、個人としての進路を選んでいく。空知の心地よい春風とともに。
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