覇権戦争の初期フェーズとして技術覇権をめぐる競争が激化する。現在中国は半導体増産の課題を背負いつつ、量子コンピューターでまだアメリカに及ばずとも量子暗号技術ではすでにアメリカをリードしている。中進国に過ぎなかった中国がなぜアメリカと技術覇権の争いができるまでになったのか〓〓。
本書は技術覇権の競争を論じるに当たり、視野を単なる技術・経済に限定せず安全保障の基本に立ち返る。その上でウクライナ戦争の影響と台湾有事の可能性をにらみながら、現代版スプートニク・ショック=「墨子号」の衝撃から説き起こし、近未来の量子技術覇権をめぐる米中対立のなかでの日本の進むべき技術ロードマップを探る。
(目次より)
まえがき
第1章 ウクライナ危機後に先鋭化した米中の技術覇権争い
第2章 途上国、中国が第4次産業革命に遭遇した僥倖
第3章 宇宙まで拡大した米中のハイテク戦争
第4章 ハイテク分野のデカップリングはどこまで可能か
第5章 米中対立で中国の半導体自給はどうなるのか
第6章 アメリカは量子技術での中国の優位を覆せるか
第7章 量子技術覇権をめぐる日米連携のあり方
あとがき
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