特集:オートマティスム……自動のエチカ
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特集 オートマティスム 自動のエチカ
アンドレ・ブルトンは、『シュルレアリスム宣言』において、シュルレアリスムを次のように定義した。「(シュルレアリスム)は、心の純粋な自動現象であり、それを通じて口述、記述、その他あらゆる方法を用いつつ、思考の真の働きを表現することを目標とする。理性による一切の統御をとりのぞき、審美的あるいは道徳的な一切の配慮の埒外で行われる思考の書き取り」であると。
ブルトンは、宣言を起草する以前から、オートマティスム(自動記述)による試作を行なっていた。それは眠りながらの口述であり、思考より早い速度で書く試みであった。これは無意識や意識を排した状態を自らに課し、いわば狂気の側に身を委ねることと解釈された。しかし、ブルトンの本当の狙いは、じつはその先にあったのだ。狂気を飼い慣らすこと。つまりただ単に非理性的なものに表現力をもたせるだけでなく、これを生産的、あるいは創造的な行為に転嫁させる知的営為だったのである。自動化の問題系にあえてオートマティスムを召喚させる。理性と非理性の相反する二状態を同時並行的に生きること。それは、自動化それ自体を換骨奪胎することだ。
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