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◆第二句集
やかなけり今も信じて薺打つ
詩型を信じることは己を信じることでもある。本書にはひと筋の道をひたすら歩みつづけてきた著者の確かな足跡が明らかにみえる。
藤本美和子
◆自選十五句
音のあるところ光りて冬泉
落葉松の直幹に春兆しけり
波消のなかの波音夏の月
蜂の子を食べて賢くなりにけり
丸ひとつ大きく描いて春を待つ
壊死の足上げて下ろして夜の長き
仰臥にも時流れけり旱星
まんばうを食ひ菜の花を食ひにけり
やかなけり今も信じて薺打つ
しやぼん玉消えたる空に飛ばしけり
薫風やキトラ古墳の天文図
息吸つて朧が胸に溜まりけり
自画像の少し若やぐ春隣
川越えて紅梅浄土歩きけり
夫に挿す白菊のまだ固蕾
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