クレモナのリウトプランド『報復の書』/ヴァイセンブルクのアーダルベルト『レーギノ年代記続編』

クレモナのリウトプランド『報復の書』/ヴァイセンブルクのアーダルベルト『レーギノ年代記続編』

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出版社
知泉書館
著者名
三佐川亮宏
価格
8,800円(本体8,000円+税)
発行年月
2023年10月
判型
A5
ISBN
9784862853936

ヴァイキング,ノルマン人,イスラーム教徒など異民族の侵入が相次いだ10世紀は,史料の数が極めて乏しく,「暗黒の世紀」と呼ばれる。しかし同時に,今日のヨーロッパ諸国と民族が形成された,歴史的に重要な「長い10世紀」でもある。叙述スタイルに豊かなバリエーションを持つ史料は,扱う地域も実に多様である。
本書は,このオットー朝期(919-1024)の四大叙述史料のうち二書を,明快かつ詳細な訳注で提供する。
リウトプランドは,仕えたイタリア国王と激しく対立し,ドイツ国王オットー1世の宮廷に亡命した。その『報復の書』(958-62成立)は,皇帝カール3世が失脚し,フランク帝国が5つに分裂した頃(887/88)から筆を起こし,ドイツ,イタリア,ビザンツの同時代史を様々なエピソードを交えて描き,最後は自身のコンスタンティノープル使節行(950)を詳述する。膨大なギリシア・ラテン古典の引用に彩られ,該博な知識に基づく修辞的表現や韻律詩を駆使した鋭い社会批判,諧謔,皮肉を表出し,独自の文学作品としても個性的な魅力を放つ。
アーダルベルトは,同じくオットー1世に仕えた後,ロシアへの伝道司教を経てヴァイセンブルク修道院長となった。その『レーギノ年代記続編』(966-68成立)は,907-67年を対象に伝統的な編年体で書かれた。中世において最も広く普及し,読まれた史書の一つである。
わが国で未だ馴染みの薄いこの時代の歴史研究の土台を築く,基盤的業績である。本書の生き生きとした著述は,歴史の実像を読者の眼前に立ち昇らせるに違いない。

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