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【①基本的緩和ケアに特化】
緩和ケアの専門家ではないけれど,苦痛を抱える患者のために緩和ケアのことを知りたい.そんな医療者のための実用的入門書!
【②必要なときにサッと見て、即使える知識が満載】
豊富な図表と処方例,要点を押さえた解説が,日常臨床でカンペのように役立ちます.
【③Webサイトと連携】
緩和ケア情報サイト「緩和ケア オンラインポータル(PCOP)」とリンクしており,本書の内容をスマホやタブレットでいつでもどこでも復習・確認できます.
【書評】
緩和ケアとは,全人的な苦痛に対応するための包括的なアプローチである.必要な知識も多岐にわたることなどから,むずかしいと感じている看護師もいるのではないだろうか.
本書は,“緩和ケアの専門家ではないけれど,緩和ケアを必要とする患者とかかわることがある医療者”を主な読者と想定して書かれている.緩和ケア総論,全人的ケア,意思決定支援,症状緩和,終末期ケアの5 章から構成されており,緩和ケアを網羅的に理解できるようになっているが,1 つの項目が2~6 ページ以内でコンパクトに解説されていて,必要な箇所をパッと見るのにも適している.図や写真,会話例などが多く,臨床で困る事例が挙げられていたり,クイズ形式でその章を復習できたりと,むずかしく感じずに読み進められる工夫がされていて,サブタイトルである「あなたにもできる,やさしい緩和ケア」を意識した構成になっていると感じられた.
また,要点だけでなくエッセンスがきちんと収められているため,緩和ケアの専門家が,「症状緩和方法を確認したい」「自分たちのかかわりを見直したい」などというときにも役立つ内容となっている.たとえば,「コミュニケーションスキル」の項目はレベルごとに,「意思決定支援」の項目はステップ別に書かれており,私自身も,改めて自分の臨床実践を振り返ったり,今後の患者対応プランを段階的に考える際の参考にすることができた.
元々,著者が2020 年から開設している緩和ケアのオンライン学習サイトから生まれた書籍であるということで,QR コードを読み込むと,スライド資料など,オンライン学習サイトの内容も見ることができるようになっている.まさに「1 冊で2 倍おいしい本」といえるのではないだろうか.
本書により,病気で苦しむ人々が,早期に基本的緩和ケアを提供され,専門的緩和ケアに適切につながって,苦痛の緩和が広くなされるようになることを期待したい.
がん看護29巻6号(2024年11-12月号)より転載
評者●小澤桂子(国立がん研究センター がん対策研究所・中央病院/がん看護専門看護師)
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