隠喩さみしい

隠喩さみしい

1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります

出版社
ふらんす堂
著者名
川森基次
価格
3,080円(本体2,800円+税)
発行年月
2023年10月
判型
四六判
ISBN
9784781416021

◆第一句集



豆炒つて食べるも自由鬼の春



川森基次さんはまさしく「意志の人」と思われてならない。いま、私たちの俳誌「遊牧」の主要句会の幹事役を担っているが、その仕事ぶりの緻密さはともかく、作品に於いても首尾一貫して映像を重ねてゆく。掲句は掉尾の一句だが、「豆炒つて食べるも自由」はそのことを如実に表していると思われる。これからの展開を鶴首したい作家の一人ではある。



帯・塩野谷 仁



序・鳥居真里子





◆自選十二句

春の雨有精卵を祈りけり

命脈は波打ち際の桜貝

ヤポネシア密約の梅雨前線

溢るるや鮎とか愛とか身をよぢる

少年蟹忘れがたく泥の河

ふりかへる秋桜も無く鴎の死 ※正字=鴎

秋は落日正気わづかに楕円

文楽めそめそと太夫炬燵欲し

無花果は隠喩さみしいマルコ伝

皮薄き男の矜持蜜柑剥く ※正字=剥

何を聞かれても梟の銃眼

夢うつつ身は逆走の雪しまき

お気に入りカテゴリ

よく利用するジャンルを設定できます。

≫ 設定

カテゴリ

「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。

page top