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中央銀行の使命を歴史から問い直す
インフレ、雇用、金融危機――。経済の変化にどう対応すればよいのか。
ノーベル経済学賞受賞の元FRB議長が歴史を通して未来を展望する。
「本書では主に歴史のレンズを通して、今日(および明日の)連邦準備制度(Fed)を検証する。……それ以外の方法でFedの手段、戦略、コミュニケーションが現在の形に進化した経緯を完全に理解することはできないと考える」。
(「序章」より)
「日本銀行(日銀)は、他の主要中央銀行にかなり先駆けて、慢性的な低インフレと低金利という問題に直面した点で特筆すべき存在である。そして多くの場合、こうした問題に対する新たな政策立案においても先駆者であった。足元での(日本を除く)世界的なインフレの高騰はいずれ収束するだろうが、その暁には低インフレと低金利という課題が世界的に再浮上するだろう。その場合、日本の金融戦略が、再び世界の重要なモデルになる可能性がある」。
(「日本語版への序文」より)
■現代の経済をコントロールする最強の権能をもつ中央銀行。その目指すべき姿を探るには歴史の扉を叩くことが不可欠である。
■なぜ1970年代、大インフレが生じたのか? ボルカーのインフレとの戦いを支えたアイデアとは? グリーンスパンをどう評価すべきか? バーナンキ時代の危機対応の真相は? イエレン議長の果たした重要な役割とは? パウエルの独自性とは?
■大インフレ、バブル、世界金融危機、低インフレ・低金利、そして、ゼロ金利の解除、金融不安定化、インフレへの対応、中央銀行としての独立性の確保――。連邦準備制度(Fed)は雇用の最大化、物価の安定を二大責務としつつ、いかにして経済・金融の変化に対処し、現在の姿にたどり着いたのか? そして、これから先に何が待ち受けているのか?
■連邦準備理事会(FRB)議長を務め、ノーベル経済学賞を受賞したベン・バーナンキが、自らの議長時代を含む過去70年間のFedの政策立案の歴史を解き明かす。あわせて経済環境が劇的に変化するなかで、21世紀におけるFedの金融政策の手段、枠組み、コミュニケーション戦略の劇的な変化、そして新たな課題を示す。
■また、量的緩和、フォワード・ガイダンスなど、世界の中央銀行の中でイノベーティブな政策を次々と先駆的に打ち出した日本銀行の政策についての評価も行う。
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