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過去を捨て、裏社会で生きる「交渉屋」のキダ。キダに仕事を発注、交渉時に使用する銃器や爆発物を調達するなど、表向きの輸入代行業とは別に裏稼業を営む会社「川端洋行」に、ある日両親を殺されたという少女・彩葉(いろは)が訪れる。その子の世話を押し付けられたキダは彩葉を匿うことになり、奇妙な共同生活がスタートする。彩葉と暮らすうち、孤独に暮らしていたキダの世界に鮮やかな色が満ちていく。しかし、その裏で蠢く影が、次第にキダを飲み込もうとしていた。やがて明らかになる彩葉の真実とは――。
切なく忘れがたい「企み」の物語。
『名も無き世界のエンドロール』の結末から五年後の物語。
【著者略歴】
行成薫(ゆきなり・かおる)
1979年生まれ。宮城県仙台市出身。東北学院大学教養学部卒業。2012年「名も無き世界のエンドロール」(「マチルダ」改題)で第25回小説すばる新人賞を受賞。著書に『バイバイ・バディ』『ヒーローの選択』『僕らだって扉くらい開けられる』『廃園日記』『ストロング・スタイル』『怪盗インビジブル』『本日メニューは。』『スパイの妻』『できたてごはんを君に。』などがある。
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