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既に270号を超える長い歴史の「RM LIBRARY」から、過去の傑作巻を2~3冊分まとめて復刻する「RM Re-Library(アールエム リ・ライブラリー)」。シリーズ18巻目は、RMライブラリー第121・122巻から、「国鉄コンテナのすべて(上・下)」(吉岡心平 著)の合本です。
本書では、国鉄時代に国鉄自身が所有したコンテナを形式別に紹介していくもの(つまり私有コンテナおよびJR時代のコンテナは対象外)。国鉄のコンテナ輸送は1959年に本格的にスタートしましたが、本書ではそれ以前の「神話時代」から章を起こしているあたりに、著者の造詣の深さがまず窺えます。そして歴史概観、塗装と標記の変遷が語られた後、有蓋コンテナから1形式ごとに特徴・番代区分などを詳細に解説。著者一流の貨車の形式別解説と同じ密度・熱量でコンテナが解説されているところが本書の真骨頂と言えましょう。
章立ては、有蓋コンテナ(一種)、冷蔵コンテナ(一種)、通風コンテナ、2.5トン積コンテナ、ホッパコンテナ、タンクコンテナ、二種コンテナ、三種コンテナ…となっています。ここで言う一種~三種とは国鉄が制定したコンテナの規格のことで、一種が当初の5トンコンテナの規格(俗にいう10フィートコンテナ)、二種がISO規格に則った5トンコンテナ(12フィートコンテナ)、三種は10トンコンテナとなります。特に一種と二種の混在時期にはコキ車への積載個数が異なるなど複雑な運用がありましたが、本書によって理解を深めることができるでしょう。また、ホッパやタンクといった特殊コンテナは二種が制定された頃には私有コンテナに移行していたために、国鉄コンテナとしての歴史は一種の時代で終わっているところなども興味深く読めると思います。
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