全米における大ベストセラー『ザ・リトル・レッド・ブック・オブ・フライフィッシング』の続編。この通称「レッドブック」は、13年前の発売以来、フライフィッシング愛好家の「マストバイ」書籍として、常にamazonの人気ランキングの上位に位置しつづけている不動の定番書籍で、長らくその続編が待ち望まれていました。日本語での翻訳版が刊行されたのは2021年秋のことなので、幸運な日本の皆さんにとっての待ち時間はわずか2年です。「レッドブック」はトラウトフィッシングに内容が絞られていましたが、本書では「キャスティング」、「水を読む」、「フライ」、「プレゼンテーション」、「その他」の五つの章のなかに、カープフィッシング、ソルトウォーターについてのヒントも盛り込まれていて、さらに充実した内容となっています。以下内容の抜粋です。
< 24 ゴルフのスコアはパターで決まる。魚の数は?>
フライフィッシャーの世界に漠然と広がっている常識的な空気のなかに、キャストの飛距離を熟練度の尺度とする習わしがある。
「すげー、見ろよ、彼女、軽くバッキングまで出してるぜ!」
たぶん、彼女は素晴らしいキャスターではあるだろう。でも釣りがうまいかどうかなんてわかりやしない。遠くに投げることができるのは、少なくともキャスティングに真剣に取り組んでいるからで、確かに釣りそのものがうまい可能性も高い。しかしながら、現実のトラウトフィッシングで重要なのはじつは逆で、魚に近づくストーキング技術も含めて、近くに投げる技術なのだ(『レッドブック』のアドバイスを素直に聞いて、日々練習に励んでいる皆さん、近くにキャストする練習していますか? 練習しているうちに、徐々にキャストの距離が伸びてしまっていませんか? それってショップで試し振りするときに、遠くに投げすぎる悪癖と変わりません。普段、釣り場で投げているレンジで練習してください)。
例外は多々ありながらも、遠くからキャストする釣り人より、近くからキャストする釣り人の方が、魚をより多く釣るというのは事実だ。エキスパート・フライフィッシャーは、可能な限り短い距離でキャストできるかに腐心していて、ヒーローキャストにはまったく興味がない(後略)。
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