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ジダンの底知れない「内面世界」は 私たちを惹きつけてやまない
不在によって過去の事実を語るジダン独自の方法を、不在によって存在を語り黙することによって饒舌に語るジダンを、私たちは幾度も経験することになる
日本の「ジダニスト」(ジダン主義者)が世界に放つ唯一無二のジダン研究
ジネディーヌ・ジダンほど寡黙な人はいない。いや、寡黙という言葉は適切ではない。記者会見の席などでジダンは想像以上に口を開く。ただ、彼の語る言葉は、彼に対して私たちが期待する以上であったことはほぼない。すなわち、ジダンの言葉は、いつも少し足りていない。だからこそ私たちはジダンに向けて、彼の言葉の余白に向けて、言葉を紡いできた。足りない何かに届きたいと思ってきたのだ。それが本書である。
はじめに ●
第一章 家族の肖像 ●
アグムンから/ムルド・フェラウン『貧者の息子』/一九五三年、フランスへ/パリでの生活/サン=ドニ、そしてスタッド・ド・フランスの歴史/脱出/暗い日々/結婚/ラ・カステラーヌ/マルセイユの都市計画/ラップの描くカステラーヌ/ジネディーヌ誕生/「ベルベル語」とカビリーの言葉の間で…など
第一章脚注 ●
第二章 フランス・カビリー・アルジェリア ●
二〇〇一年一〇月六日/試合経過/二〇年目の視点/研究対象として/一九七五年の試合、地中海競技会決勝/一九五八年、FLNのチーム/ラシッド・メクルーフィ/ムスタファ・ジトゥニ/チュニスへ/チームの誕生と「世界旅行」/ド・ゴール将軍の言説/アジアへの遠征/レアル・マドリード…など
第二章脚注 ●
第三章 ヘッドバットの修辞学 ●
引退会見/二〇〇六年五月二日、レアルでの最後の試合/ドイツ・ワールドカップへ/最後のワールドカップ、グループリーグ/最後のワールドカップ、決勝トーナメント/準々決勝、ブラジルとの試合/イタリアとの決勝/前半六分、パネンカ/九〇分/延長戦/ヘッドバットをめぐる言説…など
第三章脚注 ●
第四章 監督として ●
カリム・ベンゼマ論/芸術作品のようなチーム/二〇一七年、CL決勝/自身が語る「監督」/CL三連覇/ジダンの犯した「七つの罪」/「依怙贔屓」と頑迷さ/電撃辞任・電撃解任/監督復帰まで/ヴァンサン・デュリュックのジダン「監督」論/木村浩嗣との対話/監督としての成功要因/「足を入れろ」の静かな怒り/ジダンの「贔屓」について/辞め方、去り方のうまさ 第四章脚注
おわりに ●
巻末データ ●
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