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「私の茶碗」「私の箸」等、日本人以外には通じない感覚。こうした感覚を手がかりに日本の歴史を問い直した民俗学の名著を文庫化。解説 夏目琢史
「私の茶碗」「私の箸」等、日本人以外には通じない感覚。こうした感覚を手がかりに民衆の歴史を描き直した民俗学の名著を文庫化。解説 夏目琢史
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長い年月をかけて積み重ねられてきた生活習慣は知らずしらずのうちにわれわれの精神や行動を規制している。家族それぞれの箸や茶碗が決まっており、自分以外はそれを使ってはならないというのはその代表例だろう。高取正男はこの日本人の無意識下にある感覚「ワタクシ」に着目し、現在の社会問題や歴史的事象の背景を探ろうとした。その際高取が重視したのは生活文化の変遷を凝視することであり、民俗調査を行い古老と向き合う中で実際に自分の内部にもひそむ日本的思考に気づくことだった。民俗学と歴史学を取り結び、新しい歴史記述のあり方を模索した記念碑的名著。
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私の中の日本に気づく
理屈抜きの拒絶反応や禁忌によってのみ姿を見せる
近代以前から引き継いだ日本人の深層意識
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