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?内容
日本民俗学の創始者として知られる柳田國男(一八七五~一九六二)は、初めロマン派の抒情詩人として世に出たが、やがて詩作を絶って、農商務省の官吏となる。明治国家のエリート官僚・農政学者として社会政策を論ずるかたわら、山村の不思議な伝承を研究し、『遠野物語』などを著す。その後、官界を去って朝日新聞社論説委員に転身、時局批判に健筆を揮った。朝日新聞社退社後は、在野の研究者として、日本民俗学の確立に全力を尽くす。その膨大な業績は、人文・社会科学のあらゆる領域にまたがっている。
神霊や妖怪変化の世界の探究者、社会政策学派に属する農政学者、常民生活史研究のパイオニア、景観に織り込まれた人間精神の営みを透視する思想家など、柳田にはさまざまな顔があり、いわゆる柳田学は、民俗学という一言に到底収まりきるものではない。本書は、「一天才の個人芸」(家永三郎)とも評される柳田の思想世界の全貌を明快に描ききった画期的評伝である。
?著者について
菅野 覚明(かんの かくみょう)
1956年、東京都に生まれる。
1979年、東京大学文学部(倫理学専修課程)卒業。東京大学助教授、東京大学教授、皇學館大学教授を歴任。現在、東京大学名誉教授。専攻は倫理学・日本倫理思想史。
著書=『本居宣長』(ぺりかん社)、『神道の逆襲』(サントリー学芸賞、講談社)、『武士道の逆襲』(講談社)、『詩と国家』(勁草書房)、『吉本隆明―詩人の叡智』(講談社)、『新校訂全訳注・葉隠』(全3冊、講談社)ほか。
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