【読者対象】
本書は,さまざまなデータの分析や解析に利用される可視化技術に興味をもつ,幅広い読者を対象としています。可視化に関する専門的な技術を学びたい大学生や大学院生,研究者だけでなく,高校生や社会人など,様々な読者が事例を通して可視化を知ることができる内容となっています。
【書籍の特徴】
本書では,実際にどのように可視化が利用されているのかを,「科学・文化・社会」の三つの分野に分けて,実用例を交えて紹介しています。流体の可視化に始まり,有形文化財のディジタル保存,ソーシャルメディアデータの可視化など多岐にわたる実用例を掲載していますので,単なる技術としてだけではなく,実社会でどのように可視化が役立っているのかを知ることができます。本書で取り扱う三つの分野を,それぞれが独立した章として構成していますので,興味がある分野から読んでいただけます。
【各章について】
1章では,可視化の歴史などを踏まえて,本書の構成について詳しく説明します。
2章では,空気や液体などの流体の可視化を中心に,自然科学分野における可視化事例を掲載しています。
3章では,有形文化財をディジタルデータとして永久保存する方法を通して,人文科学分野における可視化の利用例を紹介します。
4章では,実世界の物理空間に依存しないようなデータを扱う社会科学における可視化事例を紹介します。
【著者からのメッセージ】
「可視化」は,自然現象や人体の観察や分析に古くから利用されてきました。コンピュータの登場により,以前は人間が手描きで画像にしていたものが,現在ではコンピュータを用いて容易に可視化することができるようになりました。大規模かつ複雑なデータが当たり前のように生成されている現在,それらのデータの分析・解析には,「可視化」は必要不可欠な技術です。一方,どのような場面で「可視化」がどのように利用されているかは,一般的にはあまり認識されていません。本書に掲載しているさまざまな事例を通して,多くの読者の方に「可視化」に興味を持っていただければ幸いです。
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