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戦場を照らすルポルタージュ
2010年「国境なき医師団」に参加以来、20回近い海外派遣を経験した著者による生と死のドキュメント。
イラク、イエメン、南スーダンなど紛争地で看護師として活動した著者は、戦禍の市民に寄り添いながら為政者の愚かさを思う。医療で戦争は止められない――思い立った著者は一時はジャーナリストへの転身を考えるも、シリアで手術後の患者の笑顔に接し、自らの使命を確かめた。
単行本上梓後は現場から退き、採用などに携わる事務局職員となった。しかし、2021年、米軍撤退とともにタリバンが復権したアフガニスタンに渡ることに(文庫版新章)。
自分の命を危険にさらしてまで紛争に巻き込まれた人々の治療に当たってきた白川さんのこの本は、これからの世界を築くことになる子供たちにも読んで欲しいです。世界中で蔓延する暴力の連鎖を断ち切らないことには人類の未来は真っ暗です――ピーター・バラカン氏推薦
彼女たちの存在と活動によって確実に救われる人がいる。救われる命がある――青木理氏(解説より)
【編集担当からのおすすめ情報】
「国境なき医師団」の看護師としてシリア、イエメンなどに派遣された著者は、単行本上梓後、採用に携わる事務局職員になっていました。平穏な日常を送っていたある日のこと。米軍撤退後、タリバンが復権したアフガニスタン派遣のオファーが届き、心が揺れます。
〈「え、私?」と思わず聞き返した。(略)断ろう、行きたくない。そう、私はもう現場は卒業したのだ。(略)ただ、断るためのうまい言い訳が見つからず、私は最終的にこの派遣を受け入れたのだった〉――本文より
戦禍の日常と私たちの日常、それらは地続きであることを著者の文章は、考えさせられます。私たちは彼らだったかもしれない――「新しき戦前」とも称される時代に必読の一冊です。
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