マクロ交通流シミュレーション

マクロ交通流シミュレーション

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出版社
コロナ社
著者名
瀬尾亨
価格
3,740円(本体3,400円+税)
発行年月
2023年10月
判型
A5
ISBN
9784339052794

【書籍の特徴】
本書は,道路網を走り回る多数の自動車の流れ,すなわち交通流を主題とし,その理論モデルとしての定式化とそのシミュレーション法を包括的かつ体系的にまとめたものである。また,その内容をPython製のオープンソース交通流シミュレータとして実装したものも付属している。

【各章について】
第1章「マクロ交通流シミュレーションとは何か」:交通流とは何か,そしてマクロ交通流シミュレーションとは何かを,交通渋滞など一般的な話題と関連付けて説明する。

第2章「交通流の基本要素」:交通流の基本的な要素の数学的定義を,実データの例やシミュレーション上の位置付けと合わせて述べる。例えば道路利用者,ネットワーク,車両軌跡,時空間図,交通状態を解説する。

第3章「マクロ交通流モデルの理論」:マクロ交通流の理論的モデルを述べる。一本のリンクを流れる交通流を一次元流体として記述するリンクモデル,リンク間の分岐・合流を記述するノードモデル,ネットワーク全体での旅行者の行動を記述する需要・経路選択のモデルを定式化し,その理論的解法を詳述する。さらに,マクロ交通流モデルと等価なミクロ交通流モデルを解説する。

第4章「マクロ交通流モデルのシミュレーション法」:第3章で述べた理論的モデルの数値解法であるシミュレーション法を複数述べる。例えば,差分法に基づくもの,変分法に基づくもの,等価なミクロモデルに基づくもの,セルオートマトンに基づくものを,その数式,アルゴリズム,計算例とともに解説する。

第5章「シミュレータの実装」:第4章で述べたシミュレーション法をプログラミング言語Pythonを用いて実装する。プログラムコードも記す。

第6章「シミュレーションの計算例」:第5章で述べたシミュレータの計算例を紹介する。グリッドロックなどの興味深い事例を対象とすることで,理論やシミュレーションの理解のみならず交通現象自体への理解を深めることを意図している。

【読者へのメッセージ】
マクロ交通流シミュレーションは主に交通工学分野での1935年から今日に至るまでの研究成果の集大成です。本書では,交通流の根本的な原理原則からマクロなシミュレーション法,さらには等価なセルオートマトンまでを一貫して論理的に(大げさに言えば公理主義的に)解説しました。シミュレーションは複雑ですが,結局のところ「旅行者は出来るだけ速く,かつ安全に移動したい」という単純な原則を論理的に具体化したものということが伝われば幸いです。抽象的な数学理論を現実の問題解決に役立てる面白さを感じていただき,このトピックに興味のあるあらゆる分野の方々の一助になることを願います。

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