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脱植民地化は、18世紀末のアメリカ独立革命とハイチ独立に始まり新世界を席捲した第一波から、20世紀末のソ連解体によって引き起こされた第四波にいたるまで、複数回にわたって起きてきた。
本書は、第二次世界大戦後のアジア・アフリカ全域で生じた第三波を、こうした長期の歴史に位置づける。
また、世界各地の事例を比較検討することで、脱植民地化という現象の特徴を浮き彫りにし、今日にも繋がるさまざまな暴力の源をグローバルな視点から問い直している。
脱植民地化の概説書としての本書の最大の特徴は、そのコンパクトさに比して、カバーする範囲が時間的にも空間的にも著しく広い点にある。理論と実証の難しいバランスをとりながら、本書はいまある世界の始まりを見事に見定めている。
本書は、脱植民化をめぐり過去だけでなく未来へも視線を注ぐ。第三波後の二大帝国、ソ連とアメリカである。とりわけソ連の後継国家ロシアが帝国への執着を示し、さまざまな問題を生んでいることが指摘されている。従来のイギリス帝国史を超える壮大なスケールで描く、記念碑的著作。
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