特集:臨床脳神経外科医にとってのWHO脳腫瘍分類第5版
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WHO脳腫瘍分類第5版は2021年に発刊され、約2年が経過し徐々に実臨床においても普及しつつあります。しかしながら、本邦においては、保険収載の問題などから確定診断がきわめて困難な疾患が存在するのも事実です。そこで本特集は「臨床脳神経外科医にとってのWHO脳腫瘍分類第5版」と題し、実際に脳腫瘍を治療する専門医前後の医師にとって、WHO脳腫瘍分類第5版の中から必要不可決である疾患を取り上げ、知識・理解を深めることを目的に企画しました。第1章は総論として「WHO脳腫瘍分類第5版の概要」と題しました。まず、成人・悪性良性脳腫瘍、小児脳腫瘍について、WHO脳腫瘍分類第5版における分類法・診断に関する概略をまとめました。また、2022年WHO内分泌腫瘍・神経内分泌腫瘍で分類されるようになった下垂体前葉神経内分泌腫瘍に関しても、トルコ鞍部腫瘍の中で取り上げました。第2章は各論として「成人悪性脳腫瘍」の項目を設けました。代表的な成人悪性脳腫瘍の疾患として、「星細胞腫、IDH変異型」「乏突起膠腫、IDH変異かつ1p/19q共欠失」「膠芽腫、IDH野生型」の3つを取り上げ、診断のポイントから実際の治療まで、脳神経外科専門医が知っておくべき知識をまとめました。第3章は「成人良性脳腫瘍」を取り上げました。以前は手術治療が中心で分子生物学的解析が進んでいなかった疾患群ですが、近年はかなり網羅的な解析が進み、予後因子として注目される分子マーカーが同定され、今後は治療への応用も期待されます。第4章は「小児脳腫瘍」を取り上げました。小児脳腫瘍は稀少疾患で分類も多岐にわたり、確定診断を得るのも容易ではありません。本特集ではその中から代表的な疾患を取り上げ、確定診断の重要性、臨床的な意義についてまとめました。第5章は「血液系腫瘍」の中から中枢神経原発悪性リンパ腫を取り上げました。本疾患は近年急速に分子生物学的解析が進んでおり、臨床上も予後予測、治療反応性予測としての分子診断の重要性が高まっています。第6章は「トルコ鞍部腫瘍」を取り上げました。トルコ鞍部腫瘍の代表的疾患である下垂体腺腫は下垂体神経内分泌腫瘍(PitNET)と名称が変更され、2022年WHO内分泌腫瘍・神経内分泌腫瘍に詳細な分類がされています。しかし、本疾患は脳神経外科医によって手術が行われ、神経病理医によって診断される疾患であるため、WHO脳腫瘍分類第5版でもトルコ鞍部腫瘍の中で取り上げられています。本特集でもPitNETをトルコ鞍部腫瘍に組み入れ、疾患概念・分類、治療についてまとめました。ぜひ本特集で知識・理解を深め、臨床にお役立ていただけましたら幸いです。(Editorialより)
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