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新しい村上春樹をめぐる文学史のために。
旧来の作品研究を大きく乗りこえていくにはどうしたらよいか。
本書は村上文学をサンプリング、翻訳、アダプテーション、批評、研究からなる、独特の世界文学的構造体として提示する。
先行する作家との関係性、村上自身の渡独体験や作品の外国語訳・映像化作品、さらには「当事者批評」「健跡学」などの視点を導入することで、どのような風景が見えてくるのか。村上作品を取りまく文学的諸現象のポリフォニーは、果たしてどのように聞きとれるのか。刺激的な書。
【村上と世界中の読者を結ぶ媒質は、どのようなものなのだろうか。そこには村上作品の翻訳だけでなく、映像化作品や、村上の影響を受けた創作物、さらには村上に影響を与えた創作物、さらには村上とその作品に関する批評や研究も含まれるというのが、筆者の考え方だ。そして、その全体が村上春樹の作品を世界文学にしているという見解を提示する。】……「序」より
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