アイヒマンを形容した〈悪の凡庸さ〉。アーレント自身は歯車のように命令に従っただけという理解を否定していたにもかかわらず、多くの人が誤解し続けている。この概念の妥当性や意義をめぐり、アーレント研究者とドイツ史研究者が真摯に論じ合う。
[目次]
序 いま〈悪の凡庸さ〉の何が問題なのか
第?部 〈悪の凡庸さ〉をどう見るか
1 〈悪の凡庸さ〉は無効になったのか――エルサレム<以前>のアイヒマンを検証する
2 〈机上の犯罪者〉という神話――ホロコースト研究におけるアイヒマンの位置づけをめぐって
3 怪物と幽霊の落差――あるいはバクテリアが引き起こす悪について
4 〈悪の凡庸さ〉をめぐる誤解を解く
第?部 〈悪の凡庸さ〉という難問に向き合う――思想研究者と歴史研究者の対話
1 〈悪の凡庸さ〉/アーレントの理解をめぐって
2 アイヒマンの主体性をどう見るか
3 社会に蔓延する〈悪の凡庸さ〉の誤用とどう向き合うか
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