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ロシア文学者・奈倉有里と、小説家・逢坂冬馬。
文学界の今をときめく二人は、じつはきょうだいだった!
姉が10代で単身ロシア留学に向かった時、弟は何を思ったか。その後交差することのなかった二人の人生が、2021年に不思議な邂逅を果たしたのはなぜか。予期せぬ戦争、厳しい社会の中で、我々はどう生きるか?
縦横無尽に広がる、知性と理性、やさしさに満ちた対話が一冊の本になりました。
◇目次◇
まえがき●逢坂冬馬
PART1 「出世しなさい」がない家 family
「さかなクン」になればいいんだ/天沢聖司と月島雫の姉弟?/古本屋をめぐって本を探しまくる姉/家から出ない弟/語学大好き人間の母、家じゅうの物に外国語を書く/ネコと呼んでいた猫と、出て行ったウサギ/新潟のおじいちゃんとトルストイ――平和主義の農業者/外国語をやるなら現地で好きなだけやった方がいい/学者になりたかったけど/君は永遠に若いわけじゃないだろう?/編集者より厳しい姉のダメ出し/女らしさ、男らしさを考えないでいられる環境/男子なのに『りぼん』なんか読んでるの?/いい作品にも変なところはある/周りに合わせると、一時的には楽だけど...etc
PART2 作家という仕事 literature
デビュー作の初版が、「さ、さんまんぶ?」/『同志少女』の作者は女性?/周回遅れになってしまうのが怖い/小説は自分の深いところに降りていくもの/ロシア語を使った仕事をしたくても……/どんなときでも安心して思いっきり勉強していいんだよ/姉は朝型、弟は夜型/作家の経済問題/将来どうなるかわからないほうが好き/直木賞と本屋大賞の違い/個人的なものと社会的なものを切り離さずに考え続ける/大学は、知的に独立した人間を育てる場である/文学は、非常に雑多なものの総称です/めざせ書籍化?/人間がSNSでバズる言葉を出力する機械に?/本を読める人生って簡単じゃないかもしれない/あらゆる職業において、プロで生きていくのは厳しい/生活に追われると本が読めなくなる/なんでなにかのためじゃなきゃいけないの?...etc
PART3 私と誰かが生きている、この世界について world
「戦争について書かれた本を体験した人」も一種の戦争体験者/自分ではない誰かについて/人間が武器と戦うのが戦争/本はどこかで平和とつながっている/良心的兵役拒否をしたのに奇跡的に生き延びた、北御門二郎/「仮面ライダー」のショッカーが語ったことは……/プーチンを支持するゲイのパレード?/独裁者をキャラクターとして消費する/古代ローマの「パンとサーカス」が現代でも起きている/戦争は避けがたいもの、ではない/自分のしていることは、なんに繋がるのか/デモにはもっと気軽に参加していい/小説も書くし、社会運動もやる...etc
あとがき●奈倉有里
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