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越前から帰京した小市は長年言い寄られた宣孝とついに結婚するが、夫の裏切りに心は冷えきり、三年にも満たぬうちに死別する。
心にあいた穴を埋められずにいるなか、清少納言や和泉式部の傑作に心打たれた小市は、『源氏物語』執筆を開始。たちまち高い評判を得ると、藤原道長の強い求めに応じて、中宮彰子に出仕する。
数世代にわたる帝をとりまく非情な権力抗争や、人々の無常を肌身に感じつつ物語に昇華させ、源氏物語を完結させた紫式部の生涯を描く。〈解説〉山本淳子
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