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山鳩が近くでほっほうほっほうと鳴く
ムササビが訪ねてくることもある
いつでも椅子のひとつは空席のまま
陽が昇ったり沈んだりする
(「椅子」)
「ランボーなら十年、私たちは百年かけようという盟約組のひとりとして、中塚鞠子は長年に亘って、少女期から妻、母から祖母へとつづく〈女〉性をかいくぐりながらひたすら生活を凝視、低処(ひくみ)に徹したきびしい詩を書き続けた。近代文学者を生んだ母たちを捉えた『「我を生まし足乳根の母」物語』の著者にふさわしい八年ぶりの新詩集」(倉橋健一)。日々の生活を送りながら、つねに詩とともに在り続けてきた。詩人のいまを伝える40篇。装画=あまのしげ
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