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昭和維新に組した弟と左派活動を続ける兄
陸軍に入隊した弟・正二は、「昭和維新」を掲げる先輩将校らとともに、二・二六事件の渦中に巻き込まれる。政府から見放され、蹶起したグループは「反乱軍」と見なされるなか、正二は「隊長と一緒に死のう」と覚悟を決める。
右翼的な心情を抱く正二とは対照的に、左翼活動を続けてきた兄・進一は、一度は転向を表明するものの、再びかつての同志たちと手を組もうとしていた。満州を舞台に、地主支配からの解放を実現しようというのだ。だが、現地での活動は一筋縄ではいかず――。
関東大震災、昭和恐慌、満州国建国などを背景に、激動する社会状況を、対照的な兄弟の姿を描く長編の後編に、満州と主人公について、より深く解説する「尻の穴」を併録。
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