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◆第一句集シリーズⅡ
一人立つ一人の影や秋の暮
俳句を始めたばかりの頃には見えなかったものが、いつの間にか見えてくる。それが俳句が分かるということだと思うが、すでに由貴さんの目は独自のものをとらえている。これからさらに感覚を磨き、さまざまなものが見えてくるのを楽しんでほしい。
序より・片山由美子
◆自選十句
滴りに遅れて音の生まれけり
肘で押す呼び鈴エープリルフール
寒月や死のことを子に尋ねられ
焼菓子を並べて冷ます蝶の昼
おほぞらを平らに載せて蓮浮葉
朧夜や息もて払ふ文の塵
等分といふ美しさ新豆腐
空つぽの水槽伏せて卒業す
行く秋や大き鞄の画学生
湯気の立つ側溝またぎ年の市
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