「日本人の信仰」というものがあるとすれば、それはいかなる環境下で受容され、育まれてきたのか。
民俗学の見地から日本宗教史へとアプローチし、前近代において最も身近な共同体であった村落を基盤に醸成された日本的信仰の淵源をたずねる。
「幻想としての宗教」「村を訪れる人と神」「地蔵菩薩と民俗信仰」「救世主としての教祖」など、著者の真骨頂ともいうべき民間信仰史に関する12篇の論考を精選。
解説=柴田實/村上紀夫
【目次】
Ⅰ
幻想としての宗教
遁世・漂泊者―本源的二重構造の問題―
Ⅱ
宗教と社会―信仰の日本的特性―
村を訪れる人と神―日本人の信仰―
山と稲と家の三位一体―日本民族信仰の根幹―
死生の忌みと念仏―専修念仏と民間信仰―
地蔵菩薩と民俗信仰
信仰の風土―天川弁才天―
Ⅲ
奈良仏教の展開
天皇と神の間―古代的政教分離をめぐって―
救世主としての教祖―行基の場合を中心に―
民間仏教を開発した空也
解説(柴田 實)
文庫版解説 「楽園」の光と影(村上紀夫)
※本書は、1982年に『高取正男著作集1 宗教民俗学』として法藏館より刊行された書籍の文庫版です。
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