伊東満所よ 蘇れ！ 歴史研究の集大成として
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本著は宮崎のNPO法人が文化活動の一環として続けているコロキウム(非公式討論会)をもとで、実施している講話万年青に、一層の知的展開を意図して進めている読み物である。著者は公立高校の教師の傍ら、長年にわたって、地方史研究に携わってきた、いわば歴史研究のリーダーが、400年以上も前の歴史研究の集大成として、講話をもとに著者自らの歴史観を述べ、当地にゆかりのある伊東満所について、小説的語り口で論述したものである。著者独自の思いが行間にほとばしり、その意味では長年の歴史研究の集大成と言えようか。我が国でのキリスト教禁止令の時代にあって、その事象をどう捉えるかは立場によって異なるであろうが、それを凌駕して、民族の歴史認識を考究することは、昨今の世界規模で推移している生々しい国際政治の現実を直視する意味においても貴重な読み物である。
冊子後半には、著者が主宰してきた研究会最近20年の成果を、資料明示したもので、その意気込みを覗い知ることができる。小冊子ながら、日本の一地方の地道な歴史的研究に携わった市井の人々の世界観にも及ぼうとする意気込みの実感できる読み物である。
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