koro

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出版社
書肆侃侃房
著者名
榊原紘
価格
2,310円(本体2,100円+税)
発行年月
2023年8月
判型
B6変
ISBN
9784863855885

眼の奥に錆びた秤が一つあり泣けばわずかに揺れる音する





『悪友』で熱烈な支持を集める著者の、無二の進化を遂げた渾身の第二歌集。





【栞文より】



「救われたくない。ゆるされたくない。そう何度も叫んでいる。(中略)できれば全て脱ぎ捨てたいのだ。そうすればふたたび穢れず生きていける」(江戸雪)



「榊原の美意識は現代短歌において実に独自性が高い。そしてその根底には、神秘への思慕がある」(黒瀬珂瀾)



「この作家の器の大きさに感嘆した。自在な言葉が相応な重さを持って宇宙の謎に拮抗している。人間が人間である悲苦から逃げることなく、現代人の知性によって真っ向から対峙している。(中略)怖るべし・怖るべし・怖るべし」(水原紫苑)







【収録歌より】



銀漢に表裏があれば手触りは違うのだろう 指輪を外す



百合のように俯き帽子脱ぐときに胸に迫りぬ破約の歴史



額縁を焼(く)べてきたかのような貌ゆっくり上げてただいまと言う



ボトルシップの底に小さな海がある 語彙がないから恋になるだけ



ヘアバームのくらいにおいだ泣くのなら最初の一粒から見ていたい







【栞】



江戸雪「滅びの思考」



黒瀬珂瀾「かずかぎりなきあなたとわたし」



水原紫苑「宝剣の一行」

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