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本書は、1958年にドイツで初版が刊行されて以来、多くの版を重ね、「裁判開廷70周年」に合わせて2015年に新版が刊行された、定番の書だ。
著者のハイデッカーは実際に裁判を傍聴し、報道に従事したジャーナリストで、裁判資料・関連文献の研究、関係者への取材を積み重ね、臨場感あふれる筆致で本書を執筆した。
本書の特徴は、裁判で明らかになったナチ犯罪の事実を示し、その犯罪が時系列で概説され、犯罪と裁判の双方の全体像を把握することで、裁判自体の意義が理解できること、と言えるだろう。法廷の質疑応答も鮮烈だ。
デーニッツ、フランク、ゲーリング、ヘス、ヨードル、カイテル、リッベントロップ、シュペーアほか、「ヒトラーの側近たち」の犯罪を立証し、「平和に対する罪」「戦争犯罪」「人道に対する罪」に鉄槌が下される。
本書は、捜索、逮捕、尋問から裁判、判決、処刑まで、裁判に関わる様々な経緯とナチ体制の犯罪の全体像を明示し、あたかも法廷で傍聴しているかのような緊迫感に満ちている。
下巻末に監修者「解題」・年表・参考文献・人名索引、写真多数収録。
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