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樟(くすのき)で等身大の動物を彫り、油絵具で彩色する「ANIMALS(アニマルズ)」シリーズで知られる彫刻家三沢厚彦の、10年ぶりとなる作品集第4弾。動物のリアリティを追求した造形は重量感のあり、粗い鑿痕は動物の毛並みや分厚い皮膚を想起させ、色や模様は観る者に親近感を抱かせます。生息する場所も違う大小さまざまな等身大の動物たちが群れる様は、三沢厚彦の作品群の真骨頂。三次元の立体の彫刻たちを、二次元の平面の本という媒体に落とし込み、これまで3冊の作品集を刊行しています。第4弾となる本書では、三次元に留まらず多次元に突入。近年、麒麟やユニコーンといった空想上の生き物や、複数の動物のイメージを合体したキメラを制作しており、そこに多次元の存在を感じると作家は語ります。
本書は、2023年6月から9月にかけて開催された千葉市美術館での個展の図録を兼ねており、前半ではその展示風景を収録。美術館ごとで展示に工夫を施す三沢厚彦が、千葉市美術館ではどんな見せ方をしているのか注目です。後半は、前作品集『ANIMALS NO.3』を刊行した2013年以降のアニマルズ、コロナ禍に色がほしくて誕生したStrutシリーズ、そして時空を軽やかに飛び越えてきたキメラ……10年分の作品約140点を紹介。充実の内容の二部構成は見応えじゅうぶんです。さらに、宗教史学者・文化人類学者の中沢新一氏がキメラについて寄稿、最初の作品集から20年ぶりとなる彫刻家舟越桂氏との対談、千葉市美術館学芸員森啓輔氏の論考と、テキストも読み応えじゅうぶん。
これまでの価値観を覆すような出来事が起きる現代に生きている私たちに、アニマルズやキメラは何を語るのか、時間をかけてじっくりと向き合っていただきたい作品集です。
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