さらば寂しすぎる教育

さらば寂しすぎる教育

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出版社
新評論
著者名
工藤定次 , 工藤姫子
価格
2,420円(本体2,200円+税)
発行年月
2023年8月
判型
四六判
ISBN
9784794812469

「付き合い切る」をモットーに、「落ちこぼれ」や「引きこもり」を励まし、
支え続けた伝説の学習塾がいま蘇る!感動の名著再生

 ある時、「僕の原点です!」と言って紹介されたのが、『学習塾の可能性―福生・タメ塾の記録』(ユック舎、1982年)という本だった。紹介してくれたのは、NPO法人「育て上げネット」で若者の就労支援を行っている井村良英さん。井村さんの活動内容を聞いて感銘を受けた私は、「ぜひ、その活動を本にしたい」と持ちかけた。
 その井村さんの「原点」となった本、ぜひとも読まなければと思って調べたところ、残念ながらすでに絶版となっていた。地元の図書館にならきっと置いてあるだろうと調べると、やはり福生市立図書館にあったので、早速借りて読んでみて仰天した。とても40年以上前の本とは思えない。現在につながる教育問題、社会問題が見事に描き出されている。これほどの良書が手に入らないのは社会の損失だ、何としてでも復刻したい! と思った。
 すぐさま井村さんに連絡を取り、著者の一人である工藤姫子さんを紹介していただき、復刻の了解を得るとともに、「復刻版まえがき・あとがき」の原稿を寄せてもらうことにした。姫子さんは現在、ご主人・定次さんの遺志を継ぎ、「NPO法人青少年自立援助センター」の専務理事として活躍されている。
 1977年の開講以来、「落ちこぼれ」や今でいう「引きこもり」気味の子どもたちを支え続けた福生の学習塾「タメ塾」は全国でも話題となり、塾長の定次さんはテレビなどにもよく出演し、活動内容を紹介したり、教育相談を行ったりしていた。本書は7年間にわたるその実践記録であるが、一貫しているフレーズは「子どもたちと付き合い切る」である。これは言葉にするのは簡単だが、いざ実践するとなるとかなり難しい。しかし、お二人は実際にやってのけ、それが「青少年自立援助センター」の設立へとつながった。本書に出てくる事例の数々は、時を超えて教育界、ひいては日本社会にさまざまな示唆を与え、一石を投じると確信している。教育関係者だけでなく、「寂しすぎる教育」に疑問をもつすべての方に読んでいただきたい「名著」の復活である。(編集部)

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