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福島県の北の端・新地町で130年続いた小さな旅館「朝日館」の女将の東日本大震災体験記。
「朝日館」は東日本大震災で大きなダメージを受け再建を断念。被災後女将の美保子は夫とともに仮設住宅に住みながら地域の被災者とともに地域の復興活動や講演活動に従事した。
「十年という時間は重くて長い。
年月が過ぎるにつれ、
どんどん薄れてゆく私の記憶。
今のうちに残っているものを
両手でそっと掬い上げたい。
そしてもう一度、
自分の人生として
抱き締めてみようと思う。」
という前書きの言葉のように、東日本大震災を自分の人生の大切な一部と捉え、それとしっかりと向き合う姿が清々しい。
「真っ赤な口紅」や「一千個のぼた餅」など、随所に書かれている女性ならではの感性や行動が、今後起こるであろう大災害時への大きな参考になるのではないかと思う。
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