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作家・長浦京の長編小説「リボルバー・リリー」を原作とする映画の誕生から完成までの過程を、行定勲監督、出演者、制作スタッフら約80人の証言を元につまびらかに書き残した書籍。「物語の誕生」、「プリプロダクション」、「撮影」、「ポストプロダクション。完成へ」の全4章構成。
8月11日に全国公開された映画「リボルバー・リリー」は、S&W M1917リボルバーを握り、50人以上の外国要人を暗殺した美しきダークヒロイン・小曾根百合(おぞね・ゆり)役の綾瀬はるかを中心に、若手から実力派のベテランまでが顔をそろえた豪華キャストと、今日の日本映画界を支える屈指のプロフェッショナルたちが集結して制作されたアクション大作だ。彼らの証言にはプロとしての技や創意、姿勢や矜持が溢れていて思わず引き込まれ、映画の完成までに制作陣がたどった平坦ではない道程には驚かされる。
およそ100年前にあたる大正13年(1924年)とはどんな時代で、映画ではどう描いたのか。制作過程で襲ってきたコロナ禍は、ウクライナ侵攻は、どう撮影に影響し、行定監督を苦しめたのか。原作ものの脚色の仕方、ホン(脚本)打ち、音響、照明、VFXなど作品作りの舞台裏に関する証言の数々は、映画業界を志す者には必読であり、映画ファンにとっても実に興味深いものになっている。
本書には映画本編のストーリーについて多くの記述があり、スポイラー(俗に言う“ネタバレ”)についても触れている。映画鑑賞後に読むことをおすすめするが、読むともう一度、映画を観たくなるはずだ。
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