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SDGsが社会のテーマになっている昨今、ダンボールは100%リサイクルできる優れた素材として注目を集めています。古紙ダンボールの強度や柔軟性に魅了され、15年以上も前からダンボールを素材とした立体作品を制作している造形作家玉田多紀。本来であれば捨てられてしまう古紙ダンボールを作品として甦らせ、命を吹き込み、オランウータンやクジラ、ライオンやゾウの頭部、カエルやアンモナイト、恐竜やドラゴンといった大型生物まで、生命力あふれる生きものたちを生み出しています。彩色せず、ダンボールの色を生かした仕上がりは、生きものの造形美が直に伝わり、そのリアルさに驚かされます。近年では絶滅危惧種をモチーフにした作品を手がけ、生態系の環境問題にも目を向け、問題提起を試みています。玉田多紀の活動は作品発表だけにとどまらず、誰でも手に入れることができる身近なダンボールを素材としていることから、子どもや学生などを対象にしたワークショップも積極的に行なっています。TVメディアで取り上げられたり、動画を配信したり、その活動は幅広く発信されています。
本書は、2023年に平塚市美術館を皮切りに巡回される玉田多紀展の図録兼書籍として刊行されるもので、初の作品集となります。陸上から海中まで、ダンボールで作られたさまざまな生きものたちの生き生きとした生命力を感じていただきたい一冊です。
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