性欲論/症例研究
『性欲論三篇』『女性の性愛について』『ナルシシズム入門』『性格と肛門愛』『呪物崇拝』など性欲論に関する七論文、症例研究として『ある五歳男児の恐怖症の分析』『あるヒステリー患者の分析の断片』他を収録。
「本書にのせた性愛に関連をもついくつかの論文によって、われわれはフロイト自身の性理論の基本的なものを知ることができると思う。しかもフロイトにとっては、最後まで性理論はもっとも重要な理論的柱であったことを思えば、この書が精神分析の理解にとって大きい意味をもつことを考えるのである。」(本書より)
「いうまでもなく精神分析は臨床的学問であり、その理論はすべて症例研究に出発している。したがってフロイドが自らの症例を詳細に書き残したことはわれわれにとってきわめて好都合なのであって、われわれはこれによって精神分析の理論と実践がいかに離れがたく噛みあっているかを知ることができるのである。」(本書より)
◎目次
『性欲論』
性欲論三篇 (懸田克躬/吉村博次訳)
Ⅰ性的な錯行
Ⅱ小児の性愛
Ⅲ思春期における変態
Ⅳ総括
幼児期の性理論 (懸田克躬訳)
ナルシシズム入門 (懸田克躬/吉村博次訳)
性格と肛門愛 (懸田克躬/吉村博次訳)
女性の性愛について (懸田克躬/吉村博次訳)
リビドー的類型について (懸田克躬/吉村博次訳)
解剖学的な性の差別の心的帰結の二、三について(懸田克躬/吉村博次訳)
『症例研究』
ある五歳男児の恐怖症分析 (高橋義孝/野田倬訳)
Ⅰ序
Ⅱ病歴と分析
Ⅲ断定
あるヒステリー患者の分析の断片(細木照敏/飯田真訳)
Ⅰ序
Ⅱ臨床像
Ⅲ第一の夢
Ⅳ第二の夢
Ⅴあとがき
子供のうその二例 (飯田真訳)
児童の性教育について (山本由子訳)
強迫行為と宗教的礼拝 (山本巌夫訳)
欲動転換、とくに肛門愛の欲動転換について(田中麻知子訳)
呪物崇拝(山本巌夫訳)
戦争と死に関する時評(森山公夫訳)
訳注
性欲論解説(懸田 克躬)
症例研究解説(土居 健郎)
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