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エナメルなどの塗料を紙やキャンバスに垂らすことで、完全にコントロールできない偶然性を帯びた線が生まれます。この技法をポアリングといい、今井龍満は、このポアリングで線を描き、線で囲まれた平面に現実にとらわれない色彩を施し、今井にしか描けない独特な動物たちを生み出しています。本書は、生きものをモチーフに作品を描く画家今井龍満の作品集第2弾です。フランスのパリで画家である父・今井俊満のもと、10代の終わり頃より絵画技法や造形意識を身につけ、2008年より画家として制作活動を開始。美術の文脈にもジャンルにもとらわれず独自の画道を行く今井龍満は、いまでは日本だけでなくアジアやヨーロッパでも活躍しています。
本書は、2023年に35周年を迎えるメナード美術館で開催される特別企画展「今井龍満 RYUMA IMAI ―偶然を生きるものたち1999-2023」の図録を兼ねて刊行される作品集です。画家となる決意をする以前の1999年の作品から、新作の5メートルを超える大作《Dragon》まで、前作品集未掲載の作品も含む約70点を収録。一貫して「偶然を生きるものたち」というテーマで描きつづける今井龍満の作品における「偶然」とは何を意味しているのか、作品図版、解説、寄稿、対談といった構成要素で紐解きます。
線と色が「偶然」に組み合わされて表現された動物たちは非常にユニークで、見るたびに姿を変えるような錯覚に陥ります。偶然によって生み出された動物たちから生きる喜びを感じ、楽しんでいただける作品集です。
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