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死へと限りなく近づきながら生にとどまった歌人は、短歌によって世界の痛みに寄り添い、触れようとする。第一歌集『汀の時』から6年、2017年から2023年までの367首を収録した第二歌集。
こんな時代ではあるけれど、もう一度、想像してごらんと、この歌集は静かに示唆してくれている。こんなはずではなかったけれど、まだ、手遅れではないはずだ――藤原龍一郎・歌人
どの歌からも深い孤独が感じられ、さらにはその孤独を抱きしめ、添い遂げようとしているかのようにも見える――松野志保・歌人
「Sad Song」まさにこれこそが自分の葬儀で流して欲しい曲を並べたプレイリストではないか――田中知之・音楽家(FPM)
【本文より】
オーロラを一度は見んと死の淵へ降りてゆきたる花冷えの夜
死者たちが沈んで来そうな六月の雲見上げおりあの海は遠い
あの人はぼくかもしれずぼくはまたガス室に立つ志願兵かも
遠吠えを聴かなくなりし冬空の月きわまるとはいつの言葉か
シクラメン売れ残りたる店先の雪ふらずともほのかに明かし
羊水に抱かれしのちの日々を終えしずかに崩る水の柩に
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