宋元明士大夫と文化変容

宋代史研究会研究報告

宋元明士大夫と文化変容

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出版社
汲古書院
著者名
宋代史研究会
価格
10,450円(本体9,500円+税)
発行年月
2023年7月
判型
A5
ISBN
9784762967344

【新たな宋元明士大夫研究に向けて より】(抜粋)
 本書は、哲学・歴史学・文学をそれぞれ専門とする三人が編集に当たり、各分野からの多様な論考を収録することとした。……津坂論文と梅村論文ではそれぞれ「伝記題跋」と「記」という特定の文体に注目し、南宋期における士大夫社会でのそれら文体の盛行を論じている。……童論文と程論文は、ともに台湾や欧米を中心に活躍する著者によるもので、このうち程論文は既にアメリカで発表された論文の翻訳である。童論文では「笑う」ことを、そして程論文では女性による像への性的なまなざしを、社会文化史の面から取り上げており、両論文ともにアナール派歴史学の影響を色濃く受けた内容となっている。……哲学・思想分野の論考として、谷口論文、田中論文、福谷論文、中嶋論文の四篇を収録している。……谷口論文は、従来医者や道士の専業とされてきた医事に対して、儒者が新たにかかわりを見せることとなった北宋期を軸に、「上医」の概念に裏付けされた「儒医」の出現と、その展開を通時的に論じたものである。……田中論文は、北宋期における鐘の鋳造、および『宣和博古図』における古器の図に対する馬端臨、朱載?、江永らの態度を丁寧に拾い上げ、宋代から清代に至るまでの楽器論の展開を考察したのものである。……中嶋論文は、『黄氏日抄』に見える黄震の陸九淵評価について検討するなど、宋末黄震の思想分析を主題としたものである。……福谷論文は、朱熹に比べて、ほとんど研究が進められてこなかった陸九淵の政治活動について「刪定官輪対箚子」、すなわち陸九淵が孝宗皇帝に輪対した上奏文を分析することを通じて、明らかにしようとしたものである。……文学分野の論文として早川論文と井口論文の二篇を収録している。……早川論文は、宋末元初を生きた琴師である毛敏仲について論じたものである。……士大夫の周縁に位置づけられる音楽家が、宋末元初という転換期にどう向き合ったかを明らかにしている。……井口論文は、明代白話小説の「三言」に登場する武官の表象を分析し、そこに反映される現実社会での武官のイメージを明らかにした論文である。……本書では、各執筆者が、長期的視野に立つ士大夫層(あるいは周縁層も含めて)の文化的変遷について論じているが、同時にそれぞれ哲・史・文の接点を意識した、あるいは複数領域にまたがる方法や議論を展開してもらうことができた。

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