1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります
後世の歴史家が語るところによれば、古代ギリシア・ローマ時代の人びとの暮らしはたいそう過酷なものであった。蛮族の侵略や帝国による重税、身の毛もよだつような疫病の蔓延に市井の人びとは疲れ果て、癒しと救いを求めていた。
ローマ帝国である新興宗教が広まると、何かが変わりはじめた。やがてその宗教が帝国の国教になると、熱狂的な信仰者たちは古代の神々の彫像や神殿を打ち壊しはじめた。「異教徒」の手による文学や哲学、さらには科学の本までが薪の上で燃やされ、その攻撃の対象が異教徒そのものになるまで、それほど時間はかからなかった。
キリスト教を信仰した最初の皇帝・コンスタンティヌス一世、徹底して信仰者に純潔を求めたアウグスティヌス、誰よりも厳格に神の法を執行したシェヌーテ。それぞれの方法で教義を貫く者たちが躍動し、歴史は<キリスト教の勝利>へと動いてゆく。
新興宗教にすぎなかったキリスト教は、いかにして古代世界の教義を消滅させ、「たった一つの真の信仰」が支持される時代を招いたのか? ローマからアレクサンドリア、シリア砂漠からアテナイへ――読む者を地中海じゅうに誘いながら、破壊と殺戮に彩られた「暗黒の世紀」を追う、衝撃の歴史ドキュメンタリー。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。