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還元主義の酔いから覚めて――。
2022年に逝去した科学人類学の巨星、未だ汲み尽くせぬその思想の根本である名著、ついに邦訳。
1984年に刊行された本書は、生涯、ラトゥール自身がその着想の源泉としたルイ・パストゥールによる微生物研究の、その社会的側面を分析する第Ⅰ部「パストゥールあるいは微生物の戦争と平和」、そしてラトゥールの哲学・思想の根本をなすと言える「非還元」の思想が展開される第Ⅱ部「非還元」からなる。
パストゥールおよびパストゥール派の研究を通じて、自然・科学・社会の関係を問い直し、ラトゥールは科学を社会に還元することからも、両者を区別することからも遠ざかっていく。
「如何なるものもおのずから他の如何なるものにも還元可能でも還元不可能でもない」
このように定義される「非還元性の原則」は、人やモノを対称的に扱うラトゥールのアクターネットワーク(行為者の網)理論のまさに中核をなしている。
ラトゥール哲学・思想を知るための必読の書。
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