安止左幾

安止左幾

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出版社
ふらんす堂
著者名
河内文雄
価格
3,300円(本体3,000円+税)
発行年月
2023年6月
判型
A5変
ISBN
9784781415635

◆第六句集

俳句は印刷された時点で作者の手を離れ、広い世界へ飛び立っていきます。

ふたたび私の元に戻ってきたときには、余りにも大きな句風の変わりように、きっと驚くことでしょう。その日を楽しみに精進を重ねたいと思います。

(あとがきより)



◆自選十五句

開き又閉づる日記を始めけり

餞は春の立つ日のそのやうに

春や風のほとりに青銅の騾馬

正門を真つ直ぐ出でて卒業す

春宵のまだやはらかき嘘の芯

空蝉や命にのこり香のあらば

之繞のはらひ長しや迎へ梅雨

心映え美しや芭蕉布着熟して

噴水に下手な気骨の無き強み

海の日は来る海の無き県にも

命あるものに緩急やぶ枯らし

濃く淡く霧は佳境を描き分け

神の愚痴神が聴きをり神無月

蓮根の穴に秩序のあるカオス

敗れざる者らのこころ埋火は

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