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●第一句集シリーズⅡ
子の背中まあるく洗ふ素秋かな
努俳句の特徴は、些細な身辺の出来事を実に楽しそうに一句にまとめ上げることである。必然的に子供や妻を詠んだ句が多いのだが、そのいずれもが実に明るく健康的で屈託のない作品であり、集中を通して次のような佳句を多く見ることができ、読み手の心を和ませると同時に、己が来し方をも改めて思い起こさせてくれる。
序より・佐怒賀直美
●自選十句
下萌や逆からのぼる滑り台
二対二のシーソー傾ぐ花薺
福耳の母と座りて虫を聞く
ジーパンの妻つまみたる蜥蜴の尾
湯の街の下駄占ひや秋の〓
紅葉散る弁当箱へ子の膝へ
羊日や洗濯物を子と畳む
鳥の巣の高さ天狗の飛ぶ高さ
秋晴や句帳に吾子の描く天馬
手拭の糸解れたる漱石忌
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