どの島も孤島ではない

どの島も孤島ではない

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出版社
みすず書房
著者名
カルロ・ギンズブルグ , 上村忠男
価格
5,500円(本体5,000円+税)
発行年月
2023年7月
判型
四六判
ISBN
9784622096283

エリザベス朝イングランドの詩人ジョン・ダンは「どの人間も孤島ではない」と謳った。ギンズブルグはこれを「どの島も孤島ではない」と読み替え、海洋帝国をなした島国・イギリス文学の異種混交性を四つの世界的パースペクティヴのもとでえがく。
スペイン人司教がトマス・モアの『ユートピア』=「どこにもない場所」をつくろうとしてメキシコに建設した救貧院。
16世紀の英語韻文をめぐるテクニカルな論争が、イギリス人のアイデンティティ構築にいかに深くかかわったか。
近代小説の起源を語るさいに欠かせないスターン『トリストラム・シャンディ』がフランスの思想家ピエール・ベールの『歴史批評辞典』と形態学的に類似し、気まぐれにくねくねと進行する意味。
人類学者マリノフスキが西洋の経済原理では理解できない交換制度「クラ」を南洋で見いだす発想源になったスティーヴンソンの小説「壜の小鬼」と、満月の夜のプラトン的体験。
著者はサバトのフォークロア的根源にかんする研究『夜の歴史』の刊行以降、真実に接近するべく試みを重ねて紆余曲折する《エッセイ》という形式を採用しながら、文献学的論考を発表してきた。本書では文学を対象に「読むことと書くことの関係』を追う。

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