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わたしは、これは正しくわたしの物語だと思った。
脇道に踏み入ったもうひとつの世界のもうひとりのわたしの話だ。
――町田そのこ氏(解説より)
アルコール依存症の母親をもつ柳岡千明は、
退院後の母親が入所する施設「セゾン・サンカンシオン」へ見学に行く。
そこは、さまざまな過去を抱えた女性たちが共同生活を行いながら、
回復に向けて歩んでいくための場所だった。
迷惑をかけ続けられた母親に嫌悪感を抱く千明だが、
入居者のひとり・パピコとの出会いから、
母親との関係を見つめなおしていく――。
人間の孤独と再生にやさしく寄り添う感動作!【解説/町田そのこ】
■著者プロフィール
前川ほまれ(まえかわ・ほまれ)
1986年、宮城県出身。看護師として働くかたわら、小説を書き始める。2017年、「跡を消す」で、第7回ポプラ社小説新人賞を受賞し、翌年デビュー。他の著書に、第22回大藪春彦賞の候補となった『シークレット・ペイン?夜去医療刑務所・南病舎?』がある。
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