表現論は,線型空間の対称性に関する理論であって,フロベニウスによる群行列式の研究をきっかけに1896年に誕生した.そして,いまや,整数論,組合せ論,幾何学,確率論,量子力学や量子場の理論まで数々の応用をもつまでに発展している.
本書は,P.エティンゴフがクレイ数学研究所で行った高校生向け講義と,MITでの学部生向け講義をもとにした,表現論の入門書である.表現論を細分化されない一体的な理論として論じ,結合的代数の表現や,群,リー代数,箙の表現など多彩な話題を扱う.内容は多くの問題や演習によって補完され,それらを解くことで発展的な話題を学べるように配慮されている.また,近代的な代数学や表現論の建設に重要な役割を果たした数学者たちの歴史的挿話も配されていて親しみやすい.
本書は,線型代数や抽象代数学の基礎的な知識をもつ学部生や修士課程の学生のための入門書として最適である.
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