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◆第四句集
ゆつくりと氷の上をこほる水
次への道程は見えています。「秋草」の仲間とまたゆっくりと歩んでいきます。
(あとがきより)
◆自選十五句
置くやうに花びら落とすチューリップ
夏の月ロールキャベツに白き帯
炬燵より短き返事する男
赤ん坊のすつぱきにほひ涅槃西風
はくれんの喜劇の如く散つてをり
むらがりてものの形の蟻の数
籐椅子に霧吹のころがつてゐる
雷のにほひ出したる近江かな
天高し男をおいてゆく女
前菜の黒き玉子や秋旱
ゆつくりと氷の上をこほる水
ほがらかなマスト一本蓮如の忌
十二月紙の礫の開き出す
干柿に食ひ入る縄のかわきかな
落ちてゐる菊人形の菊の影
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