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自分だけの孤独を大切にしてください。
中学校のクラスに馴染めず、現実から妄想の世界に逃げがちな依子。彼女が頼れるのは 父と、幼い頃から一緒に育ってきた愛犬のトト、そしてたった一人の友人・さきだけだった。しかしクラス替えからしばらくして、さきは依子を避けるようになる。
どうして? なんで?
今までのようにさきと仲良くしたい依子だったが、新しい友達と一緒にいるさきは、話し掛けてもすぐに離れていってしまう。
いっぽう、クラスメイトの伊藤さんは、クラスでいちばん目立つグループに所属しながらも、誰にでも分け隔てなく接してくれる女の子。優等生タイプの子にも、オタクっぽい子にも、そして依子にも話し掛けてくれる。
そんな彼女を好ましく思う依子だったが、伊藤さんと同じグループのリーダー・濱中さんに苦手意識を抱いているため、自分から話し掛けることはできなかった。
その後、事態は伊藤さんのけがを契機に思わぬ展開を見せる。
【編集担当からのおすすめ情報】
本作の主要人物である依子は、人とコミュニケーションを取ることが不得意で、クラスでも浮いた存在です。話せる友人がいないこと、孤独でいること……。一見すると彼女には、「居場所」がないように思えるかもしれません。
しかしこの世は、不安なとき、孤独を感じたときに手を差し伸べてくれる人がいることだけが、必ずしも幸せとは限りません。孤独であったからこそ、掴めることもきっとあるはずです。
全6篇からなる連作短篇小説、ぜひご一読いただけたらと思います。そして「自分の、自分だけの孤独を大切にしてください」。
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